手結のシイラ加工場

高知県の中でも手結はシイラ漁が盛んな港として知られています。

 シイラはクセのない淡白な味で、刺身やすり身、干物などにしてもおいしいですが、鮮度落ちが早いのがネックになっていました。そこで、手結

支所では「もっとたくさんの人にシイラを食べてもらいたい!」と平成21年に加工場を建設し、平成23年5月に加工場の衛生管理向上のための改修

工事を終え、7月には内覧会も行われて本格的な稼働を始めました。

 手結支所の入札は午後からのため、前日の入札で獲り鮮度を保ったまま保管していたシイラを、翌朝漁協の婦人部の皆さん(漁師のお母さんなど)

がさすがの手慣れた包丁さばきでドンドンさばいていきます。ここで行うのは3枚おろし(フィーレ加工)までです。

工場の工程を簡単に紹介します

①氷のたくさん入った魚槽コンテナから1匹ずつ取り出して流水で洗浄し、まな板の上へ 

②頭・ワタをおとす

③3枚におろす

④包丁の刃先やスプーンを使ってお腹をきれいにする

⑤出荷用のケースにきれいに並べる(氷をうって出荷)

⑥出荷先のニーズによっては冷凍することも(マイナス25度の冷凍庫で保管)                          

これらの過程が完全に役割分担された中で、無駄な動き1つなく黙々とこなされています。 

 なんといっても、鮮度を保ったまま作業をするのが一番大変だそうです!いかに無駄なく素早く作業をし、かつその中でも正確な包丁さばきが求

められる。特にシイラは他の魚に比べて魚体が大きく幅が薄いため、骨のつき方等を覚えて無駄なくさばくのが重要だそうです。

 そして新しく、シイラの外に手結の沖で養殖されているハマチの1次加工にも、取組みを広げていこうとしているそうです。

 高知県漁協の中で手結と深浦の2支所は、養殖を行っている組合員さんがいます。深浦ではマダイ(海援鯛)、手結ではブリにカンパチ、長太郎な

ど。そうした養殖をおこなっている組合員さんを応援する意味でも、加工場を活用した取り組みを広げる事は地元を元気にする要素をたくさん含んで

います。

 今までは鮮度という点で地元の消費が主だったシイラですが、この加工場を通じて鮮度の良いシイラのおいしさをたくさんの人に味わってもらい、

食べる機会が増えていってほしいです。